【読書感想文】堀江貴文著「多動力」を読んでみた【☆4つ】
毎々お世話様です。
普段小説を読んでいて、ブクログに評価を都度つけているのですが、
今回久しぶりに読書感想文を書いてみようと思う本に出会いました。
ちなみに前回の読書感想文は、以下のページから。
今回読んだ本は、堀江貴文(ホリエモン)の「多動力」という、
いわゆる「啓発本」とか呼ばれるジャンルの、エッセイです。
正直「啓発本」自体あまり好きではなく、普段は読まないのですが、
たまたま立ち寄った書店で平積にされていたので(しかもセール中)、
冷やかし半分で、購入してみました。
しかし読んでみると、色々思うことはあるものの、
昨今話題の「働き方改革」について、納得できる提言と実践が並んでいたため、
ブクログでも「☆4」をつけました。
詳しい内容はこの「多動力」を手に取って読んでいただくとして、
今回は「色々思うこと」を含め、この本の感想をまとめたいと思います。
~目次~
「あなたの感想ですよね?」
私が「啓発本」の事をあまり好きじゃない理由が、
「私は出来た。お前もやれ」というスタンスで語りかけて来るからです。
そりゃ、同じ条件で同じ様にやれば、同じ様な結果が出てくるかもですが、
そもそも前提条件が私と著者では違うことを、無視した内容が苦手です。
その点で言えばこの「多動力」も、
例に漏れずそのスタンスで語りかけてきます。
- ワクワクする仕事だけをやれ。そうじゃない仕事はするな。
- 3つの肩書を持て。1つしか無いやつは今から行動しろ。
- 他人の評価なんて関係ない、本音で生きろ。
ええ、その通りですよ。
中でも特に「ワクワクする仕事だけをやれ」というのが、
この「多動力」というタイトルの根源です。
でもこれらはあくまで、「堀江貴文」という偉人だから成せる業。
彼がむちゃくちゃする分、周りの人たちがフォローしているのが目に浮かびます。
むしろそれを束ねて率いるのが、堀江氏の役割なんでしょうけど。
ではそれを「啓発本」として発行し、
皆が皆「ワクワクする仕事」をし始めたら、
「そうじゃない仕事」って、誰がするのか。それも「ワクワク」する人が要るのか。
経費精算や部屋の掃除は、ワクワクしないかも知れませんが、
誰かがやらないといけない。たとえワクワクしなくても。
つまりこの本は「堀江貴文」という、人の上に立って指揮を取る立場の話であり、
徹頭徹尾「勝者の思考」に基づいて書かれていると、正直思います。
「多動力」というタイトルが誤解を産む
「多動力」と聞くと、「あれもこれも手を出す」というイメージが湧きます。
実際間違いではなく、堀江氏が「あれもこれも」と色々やるために、
仕事の回しかたから睡眠の取り方まで、細かく紹介してはいます。
しかし「多動力」の本質は「あれもこれも」ではなく、
「これはやらない」というのを決め、お金を払ってでもやらないということ。
例として堀江氏は現在ホテル住まい。
常に移動している為、定住する場所を持つ必要が無いだけでなく、
「ワクワクしない」部屋の掃除も、ホテル従業員がやってくれます。
また先日、堀江氏がR-1に出たという報道がありましたが、
ネタの台本は他の人に書かせていたんだとか。
これもまた「これはやらない」というのを決め、
専門家に外注し、より良い成果を求めた結果なのかもしれません。
書籍に戻ると、実際中に書かれている事も、
「ワクワクすること」をやるために、いかにして時間を作るのか、という話が中心。
やらない事を決め、他に回す事で、
自分はワクワクする事だけに集中でき、仕事も生活も楽しくなる訳です。
それでも☆4にした理由
ここまでネガティブな事ばかり述べてきましたが、
先述の通り、私はこの本にブクログで「☆4」を付けました。
(「☆5」は本当に感動したもののために、取ってあります)
その理由が、堀江氏がこの本で述べている事は、大方正しいと思うからです。
ワクワクする事に集中し、それ以外はやらないと決める。
それが「自分の時間」を生きるという事ですし、そうありたいとも思います。
しかしその為には、堀江氏の様に人の上に立ち、
やりたくない事を他人にやらせる人間にならなければならない。
そうじゃなければ、「誰かのやりたくない事をやる」という側に立ち、
「他人の時間」を生きる事になります。
しかしここ数年、この「勝者の思考」に変化があるように思います。
それはAIやロボット○○等、自動で色々やってくれる物が増えた為かと。
我が家にはロボット掃除機様がいらっしゃます。
有名なルンバではなく、Ankerのeufy RoboVac 11という機種です。
「10分ちょいやんけ!」と怒る人もいますが、
そもそも面倒でやりたくないことを、やってくれるというのが画期的。
たまに棚の隙間に突っかかったり、ちゃぶ台を玄関先まで押し込んだりしますが、
私の部屋は、これまで以上に綺麗になりました。
流石ロボット掃除機様。様様です。
出版される時代が早かった
何が言いたいのかといいますと、別に人の上に立って指示を出さなくても、
ロボットやAIが発展してくれたら、人間がやりたくない事をやってくれる。
そうなったら堀江氏が言う「ワクワクすること」だけが出来る時代がやってくる。
ということです。
自動車メーカーのAudiは、ドライバーは車の中で一日50分過ごすため、
自動運転が発達すれば、運転時間は完全にフリーな時間となるとし、
一日の「25時間目」という言い方をしています。
私は運転が好きなので、あまりこの考え方は好きではないのですが、
確かにマイカー通勤している人が、自動運転の車を使い始めると、
その50分で、追加で寝たり朝食を食べたり出来ます。
現代では運転手を雇って後部座席で寝られる人しか、
こういった恩恵を受ける事は出来ません。
それが今後はロボットに置き換わる、そうなった時に、
マイカー通勤は自由時間となり、運転手は仕事を失います。
多分堀江氏はここまで言いたい訳ではないかと思いますが、
ロボット掃除機様や、自動運転などを見ていると、
なんかそんな時代が、遅かれ早かれやってきそうな気がします。
こうなった時に、今の私の様に「他人の時間」を生きている人は、
一体何をして食べていけば良いのでしょうか。
実際自動運転はまだまだ先の技術ではありますが、
今自分がやってる仕事だって、ペッパーくんが進化したら取って替わられるかも。
そうなった時に必要となるのは、一介の社畜ではなく、
「しゃっちー」という一個人で、何が出来るのか。
「3つの肩書」を考える
「多動力」の中で堀江氏が提言している事の1つに、
「3つの肩書を持てば、あなたの価値は1万倍になる」という物があります。
「1つの仕事を定年まで全うするのが正しい」という観念に、日本人は囚われすぎで、
この「幻想」を断ち切らないといけない、というのがこの提言の趣旨。
様々な事に手を出し、それらを掛け合わせる事で、
個人の価値(と給料)は驚くほどに上がる、ということ。
「実業家✕コメンテーター✕服役経験者」とか。こんな人、なかなかいません。
では立ち返って、私にどんな肩書があるのかというと、
胸を張って名乗れるのは、それこそ「社畜」であるという事。
あと学生の頃に、わりと真面目にある分野の研究をしていたので、
それもギリギリ肩書になるかな、と言った感じ。
ただし重要なのは、それらを「掛け合わせる」という事。
今の仕事と学生時代の研究は、全くリンクしていないので、
堀江氏が述べている様な、私の価値をあげる事には寄与していません。
ただ肩の力を抜き、もうちょっとゆるいレベルで考えてみると、
例えば私だと、カブ主で、動画編集がちょっと出来て、ブログをやっています。
この3つを掛け合わせると、このブログのテーマの一つである、
「カブ動画」という物が出来上がります。
恐らく堀江氏が言いたい「3つの肩書」と言うのは、
こういう事なんだろうなと思います。
自分がワクワクすることで、それを成すために自分が出来る事を増やし、
それが収入につながれば、万々歳。
長々と語って参りましたが、
以上が堀江貴文著「多動力」を読んでみた感想です。
移りゆく時代の中で、これまでの「常識」に囚われず、
個人の価値を高めるために、やりたくない事に時間を掛けず、
「ワクワクする事」に次々手を出し、自分の肩書にしていく。
個人的には、これが本当の意味での「働き方改革」なんだと思います。
ただ労働時間だけを無闇に減らし、プレミアムフライデーとか言ったり、
「生産性」だの「PDCA」だの、御託を並べて社畜を驚かす啓発本とは違い、
一度自分の現状に立ち返り、今後の働き方を見直すいい機会になったと思います。
ではでは
しゃっちー