【写真多数】東京モーターショー2017で新型カブを見てがっかりした話
お世話になっております。
先日東京モーターショー2017(TMS2017)に行ってまいりました。
時間が取れなかったのと、微妙な立場での参加だったため、
あまり車(とお姉さん)は見れなかったのですが、
むしろお目当てはただ一つ。新型カブ。
私自身いわゆる「カブ主」で、
カブで旅に出た動画を「カブ動画」として、このブログにも載せております。
そんな私がTMS2017で公開された、完全ニューモデルの新型カブを見て、
正直がっかりしたことが多かったので、その点をまとめたいと思います。
デザインは秀逸。昔懐かしのカブ復刻版
新型として展示されていたのは、125ccモデルのちょっと大きなカブ。
青と白のボディ、赤いシート、シルバーの細部。
まさに「昔懐かしのカブ」と言った印象。
最近見なくなった「ホンダウィング」も付いていました。
細部に目をやると、サイドボックスが復活した他、
ボディと継ぎ目が無いデザインにされているとか。
このボックス、私のカブにはボアアップした際のマイコンが入っていますが、
保険書類と工具しか入らないし、活用している人いるのかな(笑)
ただの「復刻」ではない、新機能続々
もちろん完全ニューモデルなので、ただの復刻版ではありません。
まずぱっと目についたのは、前輪ディスクブレーキ。
これまでは前輪もドラムブレーキだったので、ここは変更点です。
しかもちょっと上を見ると、「ABS」の文字が。
正直目を疑いました。だってカブやろ?
さらに上に行くと、鍵穴がありません。
ガスコンロの様なレバーが付いていて、キーレスでエンジン始動できます。
更によく見ると、ここでハンドルロックも解除/施錠できそうなので、
これまでみたいに、わざわざタイヤ脇に鍵を刺さなくても良くなりました。
さらにさらに、ハンドル近辺まで目線を上げていくと、
メーターがデジタル表示になっていした。
走行時の視認性が気になる所ではありますが、特に原一は速度にシビアなので、
こういう進化は、ありがたいと思いますね。
フロント・リアのライトに至っては、LEDが採用され、
特にリアのデザインは、大きく一新された印象。
フロントはもちろん、安心の丸目でしたよ。
「カブ」の設計コンセプトは、もう無いのかも
ここまで新型カブの変更点で、ぱっと気づいた所をまとめました。
もちろんもっと詳しく見れば、性能面でも色々変わっているのでしょうが、
一カブ主として感じたのは、「これはカブなのか?」という疑問。
それを象徴付けていると個人的に思うのは、
左手に着いた方向指示器のスイッチ。
カブ以外のバイク・原付に乗る方からしたら常識ではあるのですが、
これを初めて見た時、正直がっかりしました。
だって左手に走行に必要な機能が着いたら、
お蕎麦屋さんが蕎麦を持って、運転できないじゃないですか。
「岡持で出前行くし、そもそも片手運転するなよ」という話ではなく、
カブの「働くバイク」という思想は、ここに現れていると私は思います。
ちなみにクラッチは、シフトと連動し左足についています。
同じくお蕎麦屋さんが草履でそのまま運転できる様に、
シフトも「蹴り上げる」という動作が不要な設計になっています。
(この点は新型カブも同じでした)
岡持といえば、リアキャリアに装着するのですが、
そのリアキャリアも、非常に小型化されています。
リトルカブのより小さいんじゃないかという印象。
ここにアイリスオーヤマの箱は載せられるのか。
正直疑問に思います。
構造も複雑化。手軽に遊べるバイクではなさそう
先に述べたモデルチェンジの変更点ですが、
特に「カブ」ということを意識すると、良いことばかりではないと思います。
例えばディスクブレーキ採用で構造が複雑化、
重量もドラムと比べると重くなっているかもしれません。
重量もドラムと比べると重くなっているかもしれません。
見た目はもちろん、性能面もディスクの方が良いとされていますが、
でもカブですよ? どこを走るつもりなんでしょうか。
キーレス、LEDライト、デジタルメーター等々、
(カブとしては)全く新しいシステムですが、
逆に言うと、その分修理・改造が難しくなるということ。
特にLEDは、個人でポンと交換できるんですかね。
「最悪自転車屋でも直せる」と言われるカブであるだけに、
構造の複雑化は、意外と影響大きいんじゃないかと思います。
仕事で毎日カブに乗る方々が、どこまでカブをメンテしているかも分かりませんし。
またあくまで一部報道によると、ですが、
燃費がカタログ値で70km/L弱(50cc)まで落ち込んでいるんだとか。
現行のスーパーカブが105km/Lである事を考えると、とんでもない落ち幅です。
「馬力のために燃費を落とした」という声も聞きますが、
複雑な機構を盛り込んだことが、影響していそうな気が。
「カブ」というジャンルのバイク、のはず
同じ会場で、スーパーカブ売上1億台の特別展示もやていました。
こっちには見慣れたカブの他、特別モデルの黄金カブが展示してあったり。
この展示を見て、改めて感じたのは、
やっぱりカブは「カブ」というジャンルのバイクなんだな、ということ。
スクーターでも単車でもない、「働くバイク」であることを突き詰めたバイク。
その徹底した設計思想が、今のカブ人気を支えていると私は感じます。
その設計思想が、今回のモデルチェンジからは感じなくなりました。
「オシャレでレトロな原付」という方向に、ホンダは舵を切ったでしょうか。
ホンダの新しい方向性に共感できるのであれば、
これまでのカブとは一味違うカブであることは間違いありません。
ただ私みたいに「働くバイク」としてカブを愛しているのであれば、
この新型カブは、不満の残るものだなと思ってしまいました。
どこかで試乗する機会ってないかなー。
あ、あと前回のTMSで出たEVカブがどうなったのか、
ちょっと気になる TMS2017でした。
ではでは
しゃっちー